From:秋山大介

興味深い新聞記事を見つけました。

『日経流通新聞』2019年12月20日には「口コミ数急減」「8月から下火」「都心部で顕著」という文字が並んでいました。これは「タピオカ」の話です。なるほどな〜と思いました。ただ、同時に意外な部分も発見しました。それが、同じ紙面の掲載されていたグラフです。

ここには、タピオカの口コミ数の推移が掲載されていました。2019年は、こうやって見ると、異常値にも見えます。それくらい、2018年と2019年では全く違うことが、このグラフでわかりました。

ただし、このグラフの数値の源泉が、データを読み解くのに適しているものなのか?については分かりません。新聞を批判するわけでありませんし、私も自分の主張をするときは「自分にとって都合の良いデータを選びがち」です。

だから、そのバイアスがあるのは前提にした方が良いのですが…それで考えても、この推移の変化は顕著です。そもそも、なぜ、私が「タピオカ」を取り上げるかですが、家族で買い物に行くショッピングモールに人気店があり、それで気になっていたからです。「この人気いつまで続くのだろう…」と。

そのお店は、私の息子が生まれた2017年にはすでにありました。まだ、抱っこ紐で息子を抱え、買い物をしているときは、「全く人が並んでいない」状態でした。

子ども歩き始めた2018年は「去年よりは買っている人がいるな〜」という状態でした。ただ、だんだん増えている印象でした。そして、2019年は、「えっ!何で、急にこんなに行列があるの?」という状態でした。

そして、もう一つ、私の住むマンションの近くに、なぜか、最近タピオカ店ができました。「えっ?」と思いました。なぜ、このタイミング?と。そして、なぜこの場所に?と。

確か、あれは今年の5月くらいだったと思います。あの口コミ数のグラフで見ると、ちょうど急上昇したタイミングです。ということは、オープン準備は3ヶ月前からはしていたでしょうから、初動の段階で、タピオカ店を出すと決めたのかもしれません。もしくは、もっと前の口コミ数がグッと少ない時期です。

でも、実際に出店したときは、急上昇したタイミング。今は閑古鳥が鳴いています。これ、あなたなら、どう捉えますか?

結果論かもしれませんが、う〜ん、というのが私の正直な気持ちです。特に、店舗ビジネスは「立地が全て」と言って良いほど立位の影響度が高いものです。

実は、私は過去にある牛丼チェーンの方と親しい時期があり、一緒に市場調査で、カウンターを持って夜中にカウントしていたことがありました。だから余計に実感します。なぜ、あそこに出したのか?と。

そして、何よりも思うのが「そもそも、なぜ、タピオカを選んだか?」です。私は基本的に「瞬間最大風速」を狙うような商売には絶対に手を出さないと決めています。というより、魅力は感じません。

私の場合、商売では、「何をするか」<「どう継続するか」で考えています。「継続」が方針ですと、自ずと、瞬間最大風速的な「何」は狙わなくなり流行り物を取り扱う選択がなくなってきます。

どちかと言えば、「自分ができる社会への貢献は何か?」の比重が高くなるのが、私の考えです。もちろん、「常に流行りのものを届け、社会に貢献する」というのが、その人の方針であれば、私は、その方針を素晴らしいと思います。

商社は、まさにその機能を果たし、社会に貢献していると思います。そして、製造メーカーではなく、商社という立場だからこそできる素晴らしいことをだと思います。だからそういった立場を取る会社は、しっかりとそのような方針に基づいた計画を立て、そのような体制に会社をしていると思います。

しかし、これはタピオカ店だけの話ではなく、どうも私が聞く限り、流行りを追いかけ「今は◯◯がいい」と思って店を始めた方もいるのは否めません。そして、結果として、流行りが去ったときマイナスを及ぼし、結果的に店じまいに追い込まれるのを見ています。

そう言えば、その友人言っていましたね。「これで日本にブーム(流行)を作る」と。その友人の結末は…だから流行を作ろうとするのも同じなのかもしれません。

ちなみに、私は今ある世界で「デファクトスタンダード」を取るべく進めていることがあります。

「ブーム vs デファクトスタンダード」

これ、けっこう面白いテーマかもしれません。

ー秋山大介